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「どっちつかず」を感じたとき

わたしは分娩麻痺で生まれつき左手に障害があります。 手帳は2級で、場合によって、重度と軽度の境目のようなとこにいるんですが、見た目はパッとは気付かれにくいような気がしてます。

自分が日常で「どっちつかずだなぁ〜」って感じるときで、 思い出したのをふたつ。

ひとつは、友達(健常者)の会社で、ある障害者を雇用することに なったときのグチをきかされたとき。

友達曰く、「受け入れの体制もなく、告知もなかったのに、 介助者付きで試験を受けにくるような障害者がいきなり こられても困る。はっきりいって足手まとい。気をつかって あげる余裕なんかないくらい忙しいし、仕事は慈善じゃない」云々。
で、反論の中で、「あのさあ、あたしも障害者なんだけど。わかっててそんなこといってんの?」っていったら、「あんたは同じ。障害者なんて思ってない。だからこういう話もしてるんじゃない?なんでこだわるの…云々」と逆に反論されたとき。さらに反論しながら「どっちつかず」だと思ってました。

もうひとつは、タクシーに乗った時。
タクシーの運転手のおじさんと世間話になって、そのおじさんの 家族、娘さんの話になったとき。

なんでも、娘さんが二人いて、二人とも結婚して、孫も最近続けて生まれて、皆五体満足でよかった、安心した、って話の中で。
「TVとかであるけど、娘が障害者と結婚しなくてよかったよ、世間じゃ 確かに障害者の人も頑張ってるし、結婚してもいいと思うんだけど、やっぱり親心だよ、自分の子どもには余計な苦労させたくないしねえ、孫も障害もって生まれたら親は大変でしょ?」ってな感じだったでしょうか。
神様に感謝した、ともいってましたね。
もちろん、運転手はわたしが障害者とは気付かずに話してたんですが。 それ聞いてても、慣れからくる許容範囲内?というのか、腹が立つわけでも、傷つくわけでもなく、ニコニコ聞き流して相槌打ってる自分は「どっちつかず」だなあ〜と、ぼんやり思ってたの覚えてます。
降りる間際にばらしたら?とも思ったんですが、孫自慢をうれしそうにしてる相手に、なんか意地悪な気もして、いや、気後れもありましたね、で、やめたんです。
でも、よく考えたら、ばらしとけば、その運転手もその後、話題とかいろいろ考えたりしたのかもしれない。そのときのタクシーの利用は予定外で、手帳も携帯してなかったんです。あれば、割引のため、提示するタイミングで何かいえたかもしれません。

こういうとき、他の軽度の人はどうしてるんでしょうか??